世界初、熱可塑性固体推進薬の健全な燃焼特性と製造性を実用スケールで確認
株式会社ロケットリンクテクノロジー
2026年5月26日 11時00分
(防衛装備庁より提供)
株式会社ロケットリンクテクノロジー(代表取締役社長:森田泰弘、以下 「当社」 と称す)は、「誰でも宇宙で活躍できる社会」の実現を目指して、低コストで使いやすい革新的なロケットの開発に挑戦するスタートアップです。革新的固体ロケット燃料LTP(Low melting temperature Thermoplastic Propellant,低融点熱可塑性推進薬)の研究開発を通じ、宇宙輸送手段の低コスト化・高頻度化を目指して活動しています。
当社は、イプシロン級の大型ロケットに使えるLTPの開発を進めていますが、その前段階として2026年2月に観測ロケット級の地上燃焼試験を実施し、LTPが観測ロケット用の燃料としては実用化の段階へ到達し、大型ロケット用LTP開発にも大きな弾みがつきましたことをお知らせいたします。
本試験により、実用サイズの観測ロケットの製造においても、LTPが現行の固体燃料に比べて製造期間を10分の1程度に短縮できる高い製造性をもつこと、その一方で現行の固体燃料と互換可能な物理特性(機械強度や燃焼特性)を持つことを確認いたしました。
■ 本試験の内容
当社はこれまで、LTPを充填した直径135mm級の固体ロケットにて高度5kmの飛翔試験を成功させ、加速度負荷のかかる飛翔環境下でのLTPの健全性を確認しております。この成功により、LTPの主な開発課題は、製造性を維持しつつ機械的特性を向上させ、大型のロケットモータへ適用可能とする点に絞られておりました。
これを踏まえ本試験では、機械的特性を実用水準近くまで向上させたLTPを開発し、直径250mm(前回飛翔試験の約2倍のサイズ)のロケットモータに適用した地上燃焼試験を実施いたしました。内面燃焼により内部弾道特性を取得し、LTPが既存の主要な固体燃料を代替し得る強度・製造性・燃焼特性を有することが確認されました。
更に、固体燃料の間欠的な充填が可能であることも確認しました。この特性により、大型装置で一度に行う必要のあった固体燃料の大掛かりな混和・充填プロセスを、小型装置による平易なプロセスへと改革でき、製造期間の短縮と合わせロケットモータの製造コストを削減できることになります。
(防衛装備庁より提供)
■ 今後の展望
本試験により、LTPの実用化に向けた開発ロードマップが更に明確になりました。特に、LTP特性の更なる高度化と、LTPをロケットモータへと自動注型する製造システムの設計・製造が、今後の主な開発課題となります。
日頃から緊密に連携させて頂いております政府機関ならびに複数の企業様の多大なるご支援のもと、本成果の実現へと至りました。これからも当社は、日本の宇宙産業の発展に向け、前進してまいります。
■ 株式会社ロケットリンクテクノロジー 概要
会社名 :株式会社ロケットリンクテクノロジー(英文表記:Rocket Link Technology, Co., Ltd.)
所在地 :〒252-5210 神奈川県相模原市中央区由野台3-1-1
設立 :2023年4月
代表者 :代表取締役社長 森田泰弘
事業内容 :ロケット、宇宙機等の設計・開発・製造・販売及びライセンス事業
ホームページ :https://rocketlink.co.jp/

■ 全ポジションで積極採用中
ロケットリンクテクノロジーは、今後の開発加速と事業拡大に向けて、全ポジションで採用を強化しています。
宇宙輸送の革新を目指す私たちの挑戦に興味を持って頂ける方は、下記のURLからお気軽にご応募下さい。
https://herp.careers/v1/rocketlink
本プレスリリースにおける地上燃焼試験は、防衛装備庁 防衛イノベーション科学技術研究所から受注した役務請負契約において実施されました。
■ LTP(低融点熱可塑性推進薬)とは
従来の固体燃料には熱硬化性樹脂(代表例:HTPB)がバインダーとして採用されており、硬化が非可逆な化学反応であるため、その製造には長い時間(2~3週間)と特殊な精密工程が必要でした。
これに対して、当社が開発したLTPは、硬化が可逆的な自然冷却であるため、短時間で成型を行うことができます。また、再加熱により溶融させることで、モータケースへの充填のやり直しや充填不具合の修復、残った推進薬の再利用が可能になるため、製造は一般工程となります。さらに、小規模連続生産・保管が可能です。
「町工場でつくれる固体燃料」とも言えるLTPを用いることで、これまでとは抜本的に異なる、低コストかつ短納期で製造可能な製造工程を実現することが期待できます。

