ロケットリンク テクノロジー社設立の祝辞

この度は、ロケットリンクテクノロジー社の設立、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。

昨今、国内外ともに、宇宙ベンチャー企業による宇宙活動が活性化しており、小型衛星を中
心とした衛星打上げ需要が拡大してきています。国内の衛星事業者の衛星打上げ需要は旺
盛であるものの、現時点では国内の衛星打上げ事業は、H2A、H3ロケットやイプシロンな
どの基幹ロケット事業者に限定されており、打上げ需要を満たすことができずに、海外の事
業者による打上げに頼っているのが現状となってます。

また、昨年度は、イプシロンロケット6号機、それに続くH3ロケット試験機1号機の打ち
上げ失敗もあり、我が国のロケットによる衛星打上げ成功数はゼロとなり、日本の宇宙活動
は危機的事態となっています。この意味では、日本の輸送系ベンチャー企業による民間ロケ
ットによる衛星打上げサービスのスタート、そして宇宙へのアクセス手段の多様化は、日本
の宇宙活動の活性化や産業化の推進にとって喫緊の課題となっています。

このような状況の中、ロケットリンクテクノロジー社の新技術であるLTP低融点熱可塑
性推進薬は、これまでの固体燃料ロケットや液体燃料ロケットとは異なる革新的技術であ
り、製造性改善による高頻度打上げや低価格化を実現できる可能性を持つ技術です。

今後、ロケットリンクテクノロジー社がLPT技術を更にに磨きかけ、低価格で高頻度な衛
星打上げ手段を実現・提供することにより、我が国の宇宙活動の発展と進歩に貢献すること
を心から祈念しております。

(株)IHIエアロスペース 前社長 牧野 隆